京つう

ビジネス/起業  |洛中

新規登録ログインヘルプ


スポンサーリンク

上記の広告は、60日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by 京つう運営事務局 at

2009年08月04日

毎回来る度に違った感動を受けられるのが京都かなぁ。

第19回 株式会社鈴木松風堂 代表取締役社長 鈴木 基一 vol.3



――京都の活性化についてどう思いますか?

日本のいちばんの観光都市だということを考えた町の整備ですね。
電信柱をなくしたりビルの高さ規制を徹底して景観を守ることが大切だと思います。
路面電車を復活させ、駐車場を整備して市内への車の乗り入れを規制した方がいいと思います。

また今はどんどん潰されている町家や商家を保存して100%活用することも必要です。
昔から考えられて使われているメリットも多く、多目的に利用できる建物です。
京都の町に住んでいるひとが快適に暮らすというのも重要なのですが、
観光都市ということをうたい、生活の糧にしているのですから、
来ていただいた方が快適に過ごすためには、ある程度我慢も必要なのではないでしょうか。


――最後になりましたが、魅力のある場所は京都にたくさんあると思うのですが、初めて京都を訪れる方を鈴木社長が案内する場合、どこに案内しますか?

どこなのでしょうね・・・。なんか思いあたらないですね。
僕らが普段見ている景色とお客さまを連れて行った景色は違いますよね。

例えば今日(09年6月10日)ですと清水寺がいいと思います。
雨が降っているし、インフルエンザのことがあり、
観光客も少ないので壮大な舞台と雨に濡れた新緑が相まってきれいでしょうね。

四季折々違いますし、ひとがどれだけいるかでという部分で見え方もかわります。
非常に難しいですね。そのときそのときで見え方、感じ方がかわるものですから。
その違いがいろいろ見られる、毎回来る度に違った感動を受けられるのが京都かなぁ。

それと京都の人との会話が楽しめるお店ですよね。
おすすめは、当社からすぐのところにある和菓子屋「大極殿」が経営している
甘味処「栖園(せいえん)」ですね。

オーナーの奥さんが接待してくれるのですが、完全な京の言葉でもてなしてもらえます。
もちろんお茶菓子やおまんじゅうもおいしいです。
また200年間前の壁がそのまま使われているような京都らしい建物で柱も立派で、
お庭もいいですし、やすらげる場所です。
京言葉と京都の和菓子、そして建物や庭の三つの感動が味わえる
少ないスポットのひとつです。京都ってすごいなあと、
そこだけで京都に来たというよろこびを感じるお店です。


――それでは、次ぎに紹介していただく小野社長はどんな方ですか?
修学旅行客の旅館がほとんどの中で、いち早く外国人観光客をターゲットに見据え、
海外からの観光客を受け入れるサービスを京都で始めた旅館の社長です。
ユニークな発想でおもしろい切り口で旅館を経営されている方です。


――今日は忙しいなか、本当にありがとうございました。
(2009年6月10日取材)

*********************************

株式会社鈴木松風堂

京都市中京区柳馬場六角下ル井筒屋町409・410番地
代表取締役 鈴木 基一

電話:(075)211-5641
FAX:(075)231-9359

HP:http://www.shofudo.co.jp/






■株式会社鈴木松風堂 鈴木基一 【1】 >> 【2】 >> 【3】
  


Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00Comments(0)株式会社鈴木松風堂 鈴木基一

2009年08月03日

紙の文化には昔からの日本の知恵が詰まっています。

第19回 株式会社鈴木松風堂 代表取締役社長 鈴木 基一 vol.2

 

――紙製品のアンテナショップとともに、体験工房も運営されているのですね?

はい。修学旅行生と団体の小旅行が多いですね。リピーターのお客さんも結構います。
京都の紙や素材を使い、京都の先生に教えてもらいながら作るメイドイン京都で、
しかもオンリーワンの製品を自らの手で作ることができます。

作る楽しみに加え、お土産の価値ももちろんあって、新しいお土産の切り口をめざしています。
実際、日本中どこへ行ってもおみやげ物はどこも同じようなものばかりなので、
京都へ行ったという実感が確実に残るものを、思い出として、提供したいですね。

また工房のテーブルや椅子は全て紙で作っています。
接着剤には昔から使われている糊を使い、塗料の方も顔彩という絵の具を使い、
ニスの代わりに柿渋を塗って耐水性をもたし強度を強くしています。
昔の素材をつかい匂いや、ゆとりを知ってもらいます。

紙の文化には昔からの日本の知恵が詰まっています。
例えば、障子は木の枠に薄い紙を貼っただけのものですがいろいろな機能があります。
紙に光が当たると光が拡散して、光が暗い部屋の奥まで届くようになります。
もちろん風や湿気を防ぐ効果があります。
襖になると、断熱や防音の効果があります。
使う材料は少なく、軽いけれど、強いものができ、日本ではたいへん重宝されています。
海外にはないもので、そういう日本の文化、知恵を今のひとに繋いでいきたい、
見直してもらいたいと思っています。

 


――鈴木社長の経歴について教えてください。

昭和24年生まれで、立命館大学を卒業してすぐに家業に付きました。
違う方向を目指したいと思ったこともあったのですが、息子が私ひとりしかいなかったので。

入社は昭和46年位かな。
その頃には福井や滋賀に既に工場があって、呉服や反物の巻芯が多かったですね。
昭和から平成に変わる頃にかけて、これまでの商品だけでは企業を維持できない時代になりました。
今から15年ほど前、創業100年の年に私が四代目の社長に就任してから随分方向転換しました。

 

――鈴木社長は毎週火曜にレストランの厨房に立つとうかがったのですが。

体験工房に併設している「レストラン&バー AMAGAERU」の厨房に毎週火曜日にたっています。
おまかせの7~8品で3000円のコースを提供しています。
これはひとつの趣味みたいなものですけど、決まった原価の材料で何ができるのか、
それも7〜8品でお客さまに満足していただくということを考えるのが好きで、
それはパッケージも共通のことで、お客さんの商品をどう売れる商品にしてあげるか、
料理も相通じるところがあります。ある意味訓練の場と感じています。

前に来てもらった方に同じものも出せないですし、季節の旬のものを味わっていただきたい。
だいたい月に2度は週末に四国の高知の方へ材料を仕入れにいっています。
日曜市で珍しいお野菜を買い、
昼から夕方まで海で釣りをして釣れた魚を調理したり干物にして提供しています。
高知は日射しが違うのか野菜の成長が早く、やわらかくて香りがいいですね。
最近では農家の方とも仲が良くなり、
次はあの野菜がいいという感じで現地調達もできるようになりました。
休みがないといっても、家に居ても社長は24時間仕事ですから(笑)。


鈴木松風堂HP
レストラン&バー AMAGAERU HP

■株式会社鈴木松風堂 鈴木基一 【1】 >> 【2】 >> 【3】   


Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00Comments(0)株式会社鈴木松風堂 鈴木基一

2009年07月31日

紙は究極のエコ製品です。

第19回 株式会社鈴木松風堂 代表取締役社長 鈴木 基一 vol.1



株式会社マルタカの林社長から、「親分肌で面倒見がよく、様々な局面で指導をいただいています」と紹介をいただいた鈴木松風堂の鈴木社長です。鈴木松風堂は明治時代の創業。紙管の製造販売から紙を使ったパッケージ全般の製造を手がけています。また紙製品のアンテナショップや体験工房も運営しています。


――創業者は明治時代に上海で、事業を思いついたそうですね?

はい。私の曽祖父はカトリックの宣教師でした。
布教活動で上海を訪れ、そこでおみやげとして買った万華鏡から事業を思いつきました。
その万華鏡は紙の筒で出来ていたのですが、その当時、日本に紙製の筒はありませんでした。

明治の頃、呉服・反物を巻く木製の芯が大量に使われていました。
京都は寺社・仏閣がたくさんあり木材がよく使われていたので、
木製の芯は高価で、そのため安い代用品が求められていました。

曽祖父が勧業博覧会で紙製の芯を発表したところ、大丸、白木屋にこれはいい、
と採用され事業がはじまりました。それが明治26年のことです。


――今はパッケージ、包装資材全般に事業を拡大されているそうですね。

明治以降、第二次世界大戦前にはブリキ缶の代用品としてオブラートなどの入れ物を作ったり、
戦後は今も紙のパッケージが使われているクレンザーやアイスクリームの入れ物を
製造してきました。

呉服関連の取引はピークと比べると激減してしまいました。
現在、取り扱っているメインの商品は進物用の箱、パッケージ、包装資材です。
和菓子やお漬物のメーカーさんなど昔から京都にある企業をはじめ、
取引先は全国に広がっています。
工場も京都の他に福井と滋賀にあります。

ここ最近は大量生産、大量消費の時代から小ロット多品種のものに扱いが変わってきています。
パッケージ業界もやはり定型で大量に生産できるものは海外にシフトしています。
またパッケージに入れる製品自体も海外で生産するところが増えているので、
製品の製造からパッケージまで一貫して海外で製造する割合が増えています。

そこで勝負しても値段で折り合いがつかないので、
当社は他所にはないものを提案し、作るようにしています。
発想を転換し、誰もが考え付かないような方法でギフト商品のパッケージを作ります。
本来、プラスチックや金属で出来ているものを紙で代用したり、曲がらない紙を曲げたりします。
アイデアを出し、いろいろな研究をしています。
ひとくちに紙をいっても、いろんな紙があります。可能性は無限にひろがっているのです。

また紙は究極のエコ製品です。現在では7〜8回もリサイクルして使用することができるのですが、
実は昔から紙はリサイクルされていました。

江戸時代の頃は襖や障子の紙から、最後には落とし紙(トイレの紙)になり、
最終的には自然に帰ります。

かみさんとも言うように紙は非常に価値の高いもので、非常に大事にされていました。
それと、紙の箱というのは単に便利で環境にやさしいだけでなく、
手触りが温かく、やさしい触感や、紙特有の見た目のやさしさがあって、日本人が好むアイテムです。

鈴木松風堂HP

■株式会社鈴木松風堂 鈴木基一 【1】 >> 【2】 >> 【3】   


Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00Comments(0)株式会社鈴木松風堂 鈴木基一