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2008年04月22日

お線香の匂いが自然に受け入れられるようになりました。

第5回 株式会社負野薫玉堂(おうのくんぎょくどう) 負野和夫社長 vol.2

お線香の匂いが自然に受け入れられるようになりました。

――ホームページを見ると御香もずいぶん値段に差があるものなんですね?

そうですね。お香の値段の差は原材料の価格の差が反映されています。
高いものは香木です。なかでも伽羅(キャラ)は1グラムが1万円から2万円もするものがあります。

よい香木は数も少なく希少価値として価格が高くなります。
特に最近はアラブの方がまとめて購入するようになり値段が高騰しています。
これまでアラブの方では匂い消しとして乳香等を使っていたのですが、
香木を焚くようになり新しいマーケットができました。
いわゆるオイルマネーでしょうか、香木の一番高いゾーンを
私たちが提示する額よりはるかに高い価格で買い取っているので、
日本にはいってくる量が著しく減っています。

30年前までは一番高いゾーンを日本、そのあとを中国、韓国、台湾というふうな感じでした。
当時は神戸で華僑の方が仕切っていました。
華僑の方は商売が上手なので、高い香木から安い香木まで全部買って、
全部でいくらという形で現地の方と取引していました。
それを適当な値段をつけて日本や他の国に分配していたのです。

今は現地に行けるようになったこともあって私が現地に買い付けにいくのですが、
日本人は自分の欲しいゾーンの香木しか買わないので、
それ以下のゾーンの香木も同じ価格で売られたりするようです。
日本人は商売がうまくないですね。


お線香の匂いが自然に受け入れられるようになりました。

――原材料をどのようにしてお香にするのですか?

たとえばお線香は椨(たぶ)という木の幹と皮を粉末したものをベースに使います。
それに伽羅を入れれば、伽羅のお線香になります。
線香状にするためにつなぎが必要ということですね。

原材料をブレンドする比率は代々秘伝として伝わりお店によって違います。
それがお香の香りに違いとなります。
そうして昔から伝わるお香の他に、お部屋の香り付けに使うお香などは
新たに原材料の調合を考え新製品として販売しています。

15~16年前に一度お部屋のお香が小さなブームになったことがありました。
今は仏壇で使うなどの普段使いのお線香の消費が減っています。
宗教のマーケットが大きいのでまったくなくなるものではないのでしょうが、
日常的にお香を使う習慣が減っているので、
業界としても今、新しいお香の使い方やマーケットを模索しているような状況です。

しかしその反面というか、若い方の香りに対する嗜好が変化してきているのを実感します。
その15~16年前のブームの頃は洋風の香りが中心で、
それは合成の化合物を加えた香りのブームでした。
天然の原材料だけを使用したお香は、線香くさい、抹香くさいとして敬遠されました。
合成の香りを付けないと受け入れられませんでした。

ところが最近は家で線香の匂いを嗅ぐことがなくなった為か、
天然の匂いに抵抗がなくなってきているのです。
以前は形もお線香と違うものでないと売れなかった為、
一般のお線香より長さを短くしたり、太くしていたのですが、
形の方も先入観がまったくなくお線香と同じ形のものも自然に受け入れているようです。

負野薫玉堂 HP


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Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00│Comments(1)株式会社負野薫玉堂 負野和夫
この記事へのコメント
はじめまして。
たまたま香木関係で検索して数珠つなぎさんのブログを見つけました。
私は素人ですが、日本香に香木が好きです。
縁ありまして、インドネシアのある未開発の島の林業と香木油生産の小さな精油所の方と知り合いました。
他の業者と違いとても素直な方で、香木油もいままで試した色んな物と違いとても凛とした幽玄な日本人好みの香りです。
香木は老舗二ヶ所に見ていただきましたが、インドネシアなのに不思議にとタニではなくシャムと言われました。私もなにか違うとは感じて居ました。
香油向け意外に薬用油も苦いですが買いました。香水向けは三種類のアガーウッドいわゆる沈香木をブレンドしてるらしいです。たしかマレンシス、クラスナともう一つです。
香木油やチップス(笹)の簡単なホームページを作りましたが、日本人にはアロマ精油か香水じゃないと受けないみたいです。
もし、お手数でなければ、いちどこの香木をみてもらえたら幸いです。
いきなりのお願い失礼致します。

きなん企画
担当 山本
kinamkikaku@gmail.com
Posted by 山本 at 2012年03月27日 11:06
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