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2009年07月31日

紙は究極のエコ製品です。

第19回 株式会社鈴木松風堂 代表取締役社長 鈴木 基一 vol.1

紙は究極のエコ製品です。

株式会社マルタカの林社長から、「親分肌で面倒見がよく、様々な局面で指導をいただいています」と紹介をいただいた鈴木松風堂の鈴木社長です。鈴木松風堂は明治時代の創業。紙管の製造販売から紙を使ったパッケージ全般の製造を手がけています。また紙製品のアンテナショップや体験工房も運営しています。


――創業者は明治時代に上海で、事業を思いついたそうですね?

はい。私の曽祖父はカトリックの宣教師でした。
布教活動で上海を訪れ、そこでおみやげとして買った万華鏡から事業を思いつきました。
その万華鏡は紙の筒で出来ていたのですが、その当時、日本に紙製の筒はありませんでした。

明治の頃、呉服・反物を巻く木製の芯が大量に使われていました。
京都は寺社・仏閣がたくさんあり木材がよく使われていたので、
木製の芯は高価で、そのため安い代用品が求められていました。

曽祖父が勧業博覧会で紙製の芯を発表したところ、大丸、白木屋にこれはいい、
と採用され事業がはじまりました。それが明治26年のことです。


――今はパッケージ、包装資材全般に事業を拡大されているそうですね。

明治以降、第二次世界大戦前にはブリキ缶の代用品としてオブラートなどの入れ物を作ったり、
戦後は今も紙のパッケージが使われているクレンザーやアイスクリームの入れ物を
製造してきました。

呉服関連の取引はピークと比べると激減してしまいました。
現在、取り扱っているメインの商品は進物用の箱、パッケージ、包装資材です。
和菓子やお漬物のメーカーさんなど昔から京都にある企業をはじめ、
取引先は全国に広がっています。
工場も京都の他に福井と滋賀にあります。

ここ最近は大量生産、大量消費の時代から小ロット多品種のものに扱いが変わってきています。
パッケージ業界もやはり定型で大量に生産できるものは海外にシフトしています。
またパッケージに入れる製品自体も海外で生産するところが増えているので、
製品の製造からパッケージまで一貫して海外で製造する割合が増えています。

そこで勝負しても値段で折り合いがつかないので、
当社は他所にはないものを提案し、作るようにしています。
発想を転換し、誰もが考え付かないような方法でギフト商品のパッケージを作ります。
本来、プラスチックや金属で出来ているものを紙で代用したり、曲がらない紙を曲げたりします。
アイデアを出し、いろいろな研究をしています。
ひとくちに紙をいっても、いろんな紙があります。可能性は無限にひろがっているのです。

また紙は究極のエコ製品です。現在では7〜8回もリサイクルして使用することができるのですが、
実は昔から紙はリサイクルされていました。

江戸時代の頃は襖や障子の紙から、最後には落とし紙(トイレの紙)になり、
最終的には自然に帰ります。

かみさんとも言うように紙は非常に価値の高いもので、非常に大事にされていました。
それと、紙の箱というのは単に便利で環境にやさしいだけでなく、
手触りが温かく、やさしい触感や、紙特有の見た目のやさしさがあって、日本人が好むアイテムです。

鈴木松風堂HP

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紙の文化には昔からの日本の知恵が詰まっています。
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Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00│Comments(0)株式会社鈴木松風堂 鈴木基一
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