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2008年10月07日

なにも足さないほんまもんです。

第11回 株式会社土井志ば漬本舗 土井健資社長 vol.1

なにも足さないほんまもんです。

有限会社晦庵 河道屋の植田健社長から、私より年齢がひとまわり下になるのですが、
若くて仕事を熱心にやってはる社長さんです、と紹介をいただいた
株式会社土井志ば漬本舗の土井健資社長です。
株式会社土井志ば漬本舗は京都市の北部、大原の里にあります。
京都から福井県小浜へ抜ける鯖街道沿いに本社をかまえています。


――京都はお漬物がおいしいところで、その中でも大原といえば、
  やはりしば漬のイメージが強いのですが?


はい。大原のしば漬の起源はいまから800年以上も前にまでさかのぼります。
壇ノ浦の戦いに敗れ、平家一族の数少ない生き残りとなった建礼門院は
この大原で平家一族の冥福を祈りながら過ごしていました。

そんな建礼門院の悲しんでおられる姿をみた大原の里人は、何か献上できるものはないかと、
夏野菜の残りものを漬けた漬け物をお持ちしたところ、
「なんときれいな紫の葉漬け」と言われたということです。
そこから紫葉漬(しばづけ)と呼ばれるようになったということです。

それ以来、しば漬は大原の里でどこの家でも当たり前のように漬けて、
普段からよく食べられています。それが地域の名産となり、
現在では京ブランドの認定も受けています。


――夏になると緑の水田と紫の紫蘇畑のコントラストがきれいですよね。

この大原の地で育つ紫蘇は中国古来の赤紫蘇の原種に近いものです。
おそらく山々に囲まれた盆地特有の地形によって、別種との交配が防がれたのではないでしょうか。

しば漬に使う紫蘇はちりめん赤紫蘇といって、ぐちゅぐちゅと縮れたような葉が特徴です。
これは昼夜の温度差によって紫蘇の葉が大きくなったり、
小さくなったりして、よくもまれているからなのです。

大葉と紫蘇は同じ品種ですが、香りの強さがまったく違います。
武田薬品で成分分析をしてもらった結果、大原で採れる紫蘇がもっとも香りが強く、
この地での栽培がもっとも適していると証明されました。

また気温の差は、しば漬を漬ける際の乳酸発酵も促進させます。
夏の暑い時期に日中と夜間の気温の差があることで、より赤く染まるように作用します。

京都市内に本社のある大手の漬物メーカーも、しば漬に関しては、
特定の農家などと契約して大原で漬けています。
大原の地形や気候、気温が乳酸発酵に適しているのです。

当社ではしば漬に使用する紫蘇を毎日、必要な分だけ刈り取るようにしています。
例えば、京田辺の契約農家から千両なすが4トン届くとすると、
それに必要な紫蘇を直営の農場で刈り取って、樽に漬けていきます。
もちろん合成保存料や着色料は使いません。
自然発酵したものに、なにも足さないほんまもんです。


土井志ば漬本舗HP

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