2009年04月02日
金は主役(=商品)を引き立たせる名脇役(=素材)なのです。
第16回 堀金箔粉株式会社 代表取締役 堀智行 vol.2
――京都から職人がいなくなるなど、やはり伝統産業としては厳しいのでしょうか?
はい、金箔や金粉を使う産業は減少しています。たとえば金仏壇の市場は規模が縮小しています。
さらに金仏壇自体も海外で作られるようになっており、
そうした金仏壇にはやはり海外の金箔が使われます。
そこを追っかけてもしようがありません。
しかし、金仏壇の市場が縮小しているそのとなりには
お寺の納骨堂などの新しい市場が成長しています。
新しい家を建てても金仏壇を置かない家庭が増えている中で、
わざわざ遠方にあるお墓にいかずとも、
お寺の納骨堂にお参りすればいいようになってきています。
仕事の都合で引越しをしても、お寺にご先祖のお世話を任せられます。
成熟した市場のとなりには必ず成長市場があります。
前回の山田繊維さんの和装関係の例でも、
エコやファッション性に目を向けることによって成長産業になります。
時代とともに変化する市場に対して敏感に対応していく必要性は強く感じますね。
会社として取り組んでいるのは、金箔や金粉を使っているところに材料を販売するのではなく、
一緒に“ものづくり”をするということです。
仏壇関係、呉服、帯、陶器、漆器と京都は金箔や金粉の消費地でもあるのですが、
それぞれに高い技術を持っているので、力をあわせて新しい“ものづくり”に取り組んでいます。
京都の伝統産業はどこも苦しいのですが、そこから新しく発信できるものがないか模索しています。
――ホームページを見ると仏壇仏具などはほんの一部で、金や金箔を使うだけでなく、その技術を応用して展開している事業が多く紹介されていますね。
ホームページを見てそういう風に感じていただくのは嬉しいですね。金属、箔、粉にこだわり、新たな商品展開を模索しているところです。
金属を1万分の1ミリにまで薄くする技術というのは伝統的な技から生まれてきています。薄い金属ということが商品の価値になり、最新の電気部品の接点に使われたりもしています。
今も取引先は工芸品などの伝統産業が多いのですが、食品から美容まで様々な業種のお客さんとの付き合いが広がってきました。
会社が300年続いている信用から新しい情報が集まる側面もあり、そこは感謝しています。
実はこの御池通に面した店舗も以前は事務所としての機能しかなかったのですが、
情報発信をしていきたいと思い2002年に改装して今のような店を構えました。
PR用に金箔を貼った自転車や大きな置時計を置いています。
インパクトがあるので、この前で写真を撮っていく方もけっこういます。
商品を買っていただくだけでなく、この店舗を見ていただき取引がはじまった企業さんもあります。
――堀金箔粉の経営理念はどのようなものなのですか?
経営理念は、「本業に忠実であれ」をはじめとして、いくつかあるのですが、特に大切にしているのは「信用をモットーにする」ことと、「三方よしの精神」ですね。得意先、仕入先、社員がよりよくなるような会社にしたいですね。
金を使うことによって、いろいろな商品の価値を高めることができます。金自体が主役ではなく、あくまで金は主役(=商品)を引き立たせる名脇役(=素材)なのです。
お客さまに十分に儲けていただいているので、その取引が続き、その結果当社は300年続いたのだと考えています。
短期間で一時的に大きな利益をあげることよりも永く続く商売を大切にしています。取引先が健全に事業を行い、儲けていただければ、さらに拡大する分野も生まれます。それがまた取引量や取引先の拡大に繋がっていきます。
■山田繊維株式会社HP
■堀金箔粉株式会社HP
■堀金箔粉株式会社 堀智行 【1】 >> 【2】 >> 【3】
――京都から職人がいなくなるなど、やはり伝統産業としては厳しいのでしょうか?
はい、金箔や金粉を使う産業は減少しています。たとえば金仏壇の市場は規模が縮小しています。
さらに金仏壇自体も海外で作られるようになっており、
そうした金仏壇にはやはり海外の金箔が使われます。
そこを追っかけてもしようがありません。
しかし、金仏壇の市場が縮小しているそのとなりには
お寺の納骨堂などの新しい市場が成長しています。
新しい家を建てても金仏壇を置かない家庭が増えている中で、
わざわざ遠方にあるお墓にいかずとも、
お寺の納骨堂にお参りすればいいようになってきています。
仕事の都合で引越しをしても、お寺にご先祖のお世話を任せられます。
成熟した市場のとなりには必ず成長市場があります。
前回の山田繊維さんの和装関係の例でも、
エコやファッション性に目を向けることによって成長産業になります。
時代とともに変化する市場に対して敏感に対応していく必要性は強く感じますね。
会社として取り組んでいるのは、金箔や金粉を使っているところに材料を販売するのではなく、
一緒に“ものづくり”をするということです。
仏壇関係、呉服、帯、陶器、漆器と京都は金箔や金粉の消費地でもあるのですが、
それぞれに高い技術を持っているので、力をあわせて新しい“ものづくり”に取り組んでいます。
京都の伝統産業はどこも苦しいのですが、そこから新しく発信できるものがないか模索しています。
――ホームページを見ると仏壇仏具などはほんの一部で、金や金箔を使うだけでなく、その技術を応用して展開している事業が多く紹介されていますね。
ホームページを見てそういう風に感じていただくのは嬉しいですね。金属、箔、粉にこだわり、新たな商品展開を模索しているところです。
金属を1万分の1ミリにまで薄くする技術というのは伝統的な技から生まれてきています。薄い金属ということが商品の価値になり、最新の電気部品の接点に使われたりもしています。
今も取引先は工芸品などの伝統産業が多いのですが、食品から美容まで様々な業種のお客さんとの付き合いが広がってきました。
会社が300年続いている信用から新しい情報が集まる側面もあり、そこは感謝しています。
実はこの御池通に面した店舗も以前は事務所としての機能しかなかったのですが、
情報発信をしていきたいと思い2002年に改装して今のような店を構えました。
PR用に金箔を貼った自転車や大きな置時計を置いています。
インパクトがあるので、この前で写真を撮っていく方もけっこういます。
商品を買っていただくだけでなく、この店舗を見ていただき取引がはじまった企業さんもあります。
――堀金箔粉の経営理念はどのようなものなのですか?
経営理念は、「本業に忠実であれ」をはじめとして、いくつかあるのですが、特に大切にしているのは「信用をモットーにする」ことと、「三方よしの精神」ですね。得意先、仕入先、社員がよりよくなるような会社にしたいですね。
金を使うことによって、いろいろな商品の価値を高めることができます。金自体が主役ではなく、あくまで金は主役(=商品)を引き立たせる名脇役(=素材)なのです。
お客さまに十分に儲けていただいているので、その取引が続き、その結果当社は300年続いたのだと考えています。
短期間で一時的に大きな利益をあげることよりも永く続く商売を大切にしています。取引先が健全に事業を行い、儲けていただければ、さらに拡大する分野も生まれます。それがまた取引量や取引先の拡大に繋がっていきます。
■山田繊維株式会社HP
■堀金箔粉株式会社HP
■堀金箔粉株式会社 堀智行 【1】 >> 【2】 >> 【3】
Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00│Comments(0)
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