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2008年08月25日

家業を守るという使命を帯びて生まれてきたのだと思いました

■第9回 株式会社三嶋亭 三嶌太郎社長 vol.2


――三嶌社長は何代目になるんですか?

私は五代目になります。長男で男ひとりなので、
小さい頃から家業を継ぐことに関しては父や周りからはっきりと言われていたのですが、
自分が本当にその気になったのは31歳のときでした。

父と東京へ出張に行っていたときのことです。出張先で父が倒れました。
すぐ救急車を呼び、大事には至らず少しホッとしましたが、父親が目の前で倒れるのをみて、
まだまだ甘えた考えの私に先祖がみせてくれたのだと思いました。

父親の恩や母親、先祖の恩について考えました。
自分が生まれてきた意味についても随分と深く考えました。

日本の京都に生まれたこと。この時代に生まれたこと。
この三嶋亭の長男として生まれたことには何か意味があるんじゃないかな、と。
他にもいっぱいの人生がある中で、宿命みたいなものを強く意識しました。

自分はこの与えられた場所で、家業を守るという使命を帯びて生まれてきたのだと思いました。
父はその後、体調が快復したのですが、3年後に亡くなりました。
私が34歳のときです。実は父は26歳のときに祖父を亡くしているのです。
私よりもっと若いときに大黒柱として三嶋亭を守っていかなければならなかった。
私よりずっと苦労したんじゃないかと思います。
とにかく一生、死ぬまで修行です。

家業を守るという使命を帯びて生まれてきたのだと思いました



――三嶌社長が牛肉の買い付けをしているとうかがったのですが?

そうですね。牛肉の買い付けは私の重要な仕事のひとつです。

ほとんどの肉は私が直接、市場へ足を運び、一頭ずつ、百頭あれば百頭、
自分の目で見て触って、肉質や霜降りの状態を確かめ、
三嶋亭に最も適したベストなものを選び、セリに参加してセリ落とします。

産地には特にこだわらず徹底して、その肉の品質だけにこだわっています。
セリ落としたお肉を当社の倉庫で熟成させてベストなタイミングで、お店に出すことになります。

他にも、私は現場に入って調理もしますし、仲居さんの味付けの指導やサービスのチェックもします。
まだ勉強中なのですが、部屋の設えや掛け軸をかえたりもします。

社員やアルバイトにも、「頑張ってや」と声をかけて応援するし、
叱らないといけないときには厳しく叱ったりもします。
最近は挨拶をするところから教えるようになりました。
今は家庭で教えないので、会社で教えないといけません。

やはり現場に入って、全てを把握するのが私の経営です。
どーんと構えていたらいいというタイプの社長さんも居るかも知れませんが、
私はまったく正反対のタイプですね。

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Posted by 京の社長と数珠紐 at 12:00│Comments(0)株式会社三嶋亭 三嶌太郎
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